ジョージア南部にオツハヌリ・サペレという葡萄品種があります。
このオツハヌリ・サペレ、ジョージアワインの本にも「酸が高い品種」と紹介されているし、私がこれまで飲んだものもそういうものが多かったので、酸が強い葡萄なんだなーと捉えていました。
先日ジョージアのワインメーカーの方が来ていたとき、その話題になったのですが、曰く、以前は南部では葡萄の収穫時期が早かったため早摘みになってしまい糖度が上がらない状態でワイン造りを始めざるをえない状況だったためすっぱいワインになってしまったのだとか。
いわゆるソ連時代の工業化・画一化の影響で、葡萄ひとつひとつの個性を見極めて作業時期をずらすなどということが許されなかった頃の名残りなのでしょうか・・・
今では、葡萄が完全に熟すまで待つことができるので、きちんと造っているところでは良い出来のオツハヌリ・サペレを見つけることができるとのことでした。
ちなみにジョージアより南に位置するアルメニアでも、同様に葡萄の収穫が早すぎたため酸っぱい葡萄がコニャック用に使われていたという経緯があるそうです。
フランスでブランデーが有名なコニャック地方もブルゴーニュと同じくらい緯度が高めですね。
すっぱい葡萄を活かす昔の人の知恵が、ブランデー造りだったのでしょうか。
今では、アルメニアもソ連時代に途絶えていたワイン造りが再開し、質の高いワイン造りがされるようになっています。