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ワインと世襲

「日本人醸造家でみる世界のワインの会」第二回で話題に出たネタをもうひとつ。

 

この会は、ワイン超初心者の方が半数以上参加されていたので、あまりワインの本質と関係ないような雑談みたいな質問もけっこう出ました。

 

ところで話は変わりますが、先日ジムでマシントレーニングをしていたところ、ウェイト・トレーニングの機械をアルコール消毒しないでいるジムメンバーがいました。

すると遠くでウェイトをしていた、ガタイのいい男性がつかつかと近づいてきて、「中国人?」と確認してから注意をしました。

一見、親切な行為ともとれますが、「外国人の方ですか?」と聞かずに「中国人?」というぞんざいな聞き方をするのはいかがなものかと思ってしまいました。

 

さて、話はワインに戻ります。

 

参加者の方から「中国人のワイナリー買収についてどう思うか?」との質問がでました。

 

私自身の考えとしては、ワイン造りはやる気のある人とお金のある人がやればいいと思っているので、別にそれが中国資本であっても、頑張ってワイン造ってくれれば別に構わないんじゃないかと・・・

 

逆に聞きたいのは、そういう質問をする人はたとえば日本の企業がボルドーのシャトーを買収することについても同じような疑問を持つのだろうか?ということ。

文化的な側面を気にして、という意見もありますが、失礼ながら申し上げると、私が周りの知人と話していて、日本におけるワインに対する文化の成熟度はとても低いということを感じます。

なぜ自分達の未熟さを棚に上げて、他国の行動をとやかくいうことができるのでしょう。

 

フランスでは世襲制で受け継がれている畑も多く、海外からの参入は敷居が高かったりということもあるようですが、必ずしも世襲がワインのクオリティーを守るわけではないということは歴史が証明しているし、とにかくやる気がある人がやるのが一番だと考えます。

 

隣国のことについて言うとすれば、人口が10倍近くいるので、マナーの悪い人も10倍くらいいるかも知れないし、マナーの悪い人ほど目立つものなので、全員が全員悪い人ではない・・・と信じたいものです。