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スープラ

ジョージア(旧グルジア)人の若手研究者が3名来日するので、懇親会に参加しませんか?と首都大学東京の前田弘毅先生からお声がけいただき、宴会へお邪魔してきました。

「スープラ(Supla)」とは宴会のことで、お酒を飲む宴会の場はジョージアでは男性だけのものだそうなので、女性である私がこのような場を体験できるのはとても貴重な機会でした。まあそんなわけで参加したとはいえ、「タマダ(Tamada)」という宴会の進行役のような人からは、乾杯のとき女性は立ち上がらなくて良いと指示されたり、完全にオブザーバーのような立場でしたが・・・

この日のタマダ(進行役)のOkropirさん。

 

グルジア語で「Okro(オクロ)」は「金(英語: gold)」の意なので、「金太郎」みたいな名前なんですよと前田先生が説明してくださいました。

300人くらいの宴会を仕切ったことがあると誇らしげに話していました。それはなんだかすごそうです!

どのワインも美味しそうで、どれから飲むか迷いますね・・・

 

さて、宴会はタマダが次々と乾杯の言葉を述べたり歌を歌ったりして、盛り上げながら進行します。

この日の乾杯の順番は、次の通り。

 

1.神に乾杯

この世界をつくってくれたことに感謝して

 

2.平和に乾杯

いろいろな外敵が絶えなかったので平和であることへ感謝して

 

3.国に乾杯

国が一体であることに対して

 

4.王様・総主教に乾杯

今は王様はいないので総主教へ

 

5.キリスト教そのものに乾杯

キリスト教=総主教に相当する

 

6.身近で亡くなった人への献杯

ここからひたすら亡くなった人への献杯が何回か続くこともあるそう

 

7.国のため亡くなった人に献杯

戦争などで国のために犠牲になった人へ

 

8.新しく生まれた人への乾杯

これから新しく命をつないでいく人たちに向けて

 

9.両親への乾杯

この世へ送り出してくれた両親への感謝

 

10.女性に乾杯

母親・妻・娘など世のすべての女性に対して

 

11.日本に歓待してくれた皆さまに乾杯

この宴会の場にいるゲストの皆への感謝

 

12.今回のホストに乾杯

日本への受け入れをしてくれた前田先生への感謝

 

13.帰路の安全を祈って乾杯

天使(journey angels)の恩恵がありますようにと祈って

 

14.聖母マリアに乾杯

ジョージア人はマリア様が大好きなので、必ず最後は聖母マリアでしめくくるそう(アルメニアはあまりマリアのこと好きじゃないとか)。

ジョージアの守り神はマリアだそうです。

いくつか印象に残ったトピックを、雑多に記しておきます。

 

前田先生が白ワインをみつめてうっとりと、「家庭のワインってこういう色だよね・・・」と仰ってたのが印象的でした。ジョージアで家で造るワインは大体白ワインなんだそうです。赤ワイン造ってるのは、かなり上級者なのだとか。へえ。

 

ちなみに、「ジョージアでワイン造ってない家なんてのはあるんでしょうか?」という私の素朴な疑問にも、とても分かりやすく丁寧に答えてくださって云うには、「ジョージアの国の人口が400万くらいで、首都トビリシが100万都市です。都会ではワインを造れないので4人に1人はワインを造ってないということになります。しかし、彼らにもだいたい地方の親戚がいて親戚がワインを造っているので、自家製のワインを飲まない人なんてのはいないでしょうね・・・」とのこと。

この日のために現地から持ち込んでくださった赤の自然派ワインの裏エチケット。(ぶれててすいません)

 

表エチケットに書いてあった「KAKHURI LALISPERI」がワイン名かと思って訊ねたら、KAKHURIが「カヘティ(地方)の~」、LALISPERIが「ルビー色の~」という意味だそうです。

 

品種はサペラヴィ、アレクサンドロウリ、アラダストゥリ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローの5種類の葡萄のブレンド。

アレクサンドロウリだなんて、名前は知ってたけど稀少品種かと思っていたら今回来日した3人のうち1人の出身地でメジャーな品種だそうで、「アレクサンドロウリはね・・・」という解説がしばらく続きました。

 

クヴェヴリ製法で、とても複雑な味わい。

 

テイスティングコメントは、blackberry, dried spices, ripe red cherry-plum, dried cornel and chocolate とありました。

とても楽しかったです!

 

グマドロプ(ありがとう)!

ガウマルジョス(乾杯)!