· 

クリミアに苗木

先日(1/16)開催したロシアワイン会で、

「ロシアはもしかしてワイン産地を狙って周辺国を併合しているのではなかろうか」という自説を展開していたのですが、やっぱり!!!と思う記事を今更ながら見つけました。(遅い)

 

「ロシア、クリミアに120億円規模のぶどう苗木生産投資」 2015/5/24

http://www.worldfinewines.com/news15/150524russiainveststocrimea.html

【引用文】

ロシア政府農務省は、2014年にウクライナから併合したクリミアに、1億ドル(120億円)を拠出してぶどうの苗木の生産拠点を設け、クリミア地域にぶどうの稚木を供給する。この計画は、クリミアの農務大臣・Vitaly Polishchukによって発表された。

 

このロシアによる資金拠出は、クリミアに対して約束された一連の最新の投資計画のひとつで、ロシアがワイン生産を2020年までに、苗木の調達からワイン醸造・製品化までを一貫して自国で行うとするワイン産業化の一環でもある。

 

クリミア政府によると、クリミア地域内でのぶどうの苗木の需要は毎年1000万本あると見込まれるが、現状の供給は160万本しかない。この投資によって、イタリアやフランスから苗木を買う必要がなくなり、この計画が成功すれば、更にいくつかロシア国内に同様の施設をつくって、ワインを産業化させていくとロシア農務省は語っている。

【コメント】

ワインは国家が関心を示す、その国の大きな産業となり得る力を持っているようです。近年ではオーストラリアやニュージーランドがワイン産業で大成功をおさめ、今では国家の主力産業となっています。

 

中国・ブラジル・ロシア・インドといった国々が、世界のワイン市場に生産国として参入しようという動きはかねてよりあり、これらの国をワイン界ではニュー・ニューワールドと呼んだりもしています。

 

この動きは数年前、かなり勢いを見せた時期もありましたが、最近は世界経済の環境変化もあり、やや動きが穏やかに見えます。しかし依然その産業ポテンシャルは高いと見ているようです。

 

(伊藤嘉浩)