ジョージアのことで、とても感動した話があるので、(私が書いたのではないのだけれども)丸ごと引用しておきます。
ジョージアを訪れてみて、現地の人と接して、実際かなり経済的に苦しいと分かっていたけれど、この話を読んで切ない気持ちになりました。
ジョージアワインの輸入と販売をしている、ロコモーションという会社のウェブサイトに載っていた「グルジアワインの、ちょっといい話」です。
http://georgiawine.net/good/
==(以下、引用です。)==
「巨万の富を取るか、ワインを取るか。」
皆さんがグルジアに抱くイメージはどのようなものでしょうか? 「美しい自然」、「美味しいワイン」、「暖かい人々」
そのようなイメージがある一方でグルジアには、「経済的には決して豊かではない」という現実もあるのです。
実はグルジアの人口440万人の内、貧困層が100万人以上に上るとされています。
歴史的に戦争が頻発する地域に位置することも、経済の発展が難しかった一つの理由でした。
そんなグルジアに、ある時転機が訪れました。「グルジアで石油が出るかもしれない」というのです。 グルジアの隣国はアゼルバイジャン共和国。皆さんこの国の名前を聞いたことはありますか?
アゼルバイジャン共和国はここ数年、産油国として急成長している国で、「第二のドバイ」と呼ばれるほどの発展を遂げているのです。
「グルジアでも石油が出るかもしれない」アゼルバイジャン共和国の急速な発展を横で見ていたグルジアの人々にとって、これは大ニュースだったに違いありません。 そんな時グルジア国内で「石油を掘るな!!」という声が上がったのです。
なぜでしょうか?
石油を掘ると、国の水の流れが変わってしまい、今までどおりにぶどうを育てることができなくなってしまうからです。 ぶどうを失うことは、すなわちワインを失うことになります。 この議論は瞬く間にグルジア全土に広がり、最終的には国民投票が行われる程の大騒動になりました。
「ワインを取るか、石油を取るか」 あなたがグルジア国民だったらどちらに投票するでしょうか?
グルジアの人々は、ワインを取りました。国民投票で、石油の開発が否決されたのです。
グルジアにおいてワインは「グルジアの宝」「グルジアの命」と呼ばれています。
日本人の感覚で言うと、何でしょうか。
「桜」に近いものがあるのかなと思います。 8,000年以上のワイン作りの歴史を持ち、国民の7割がワインを作ることが出来るという程、グルジアの人々にとってワインは特別なものです。その気持ちは、日本人の桜に対する気持ち以上のものかもしれません。
こんな逸話があります。
隣国との戦争が絶えないグルジアの国。敵国の兵士はグルジア人を狙うのではなく、ぶどう畑を狙ったといいます。グルジアの人々からぶどう、そしてワインを奪うことで、グルジアの心を殺そうとしたのです。 それ程までに、こよなくワインを愛しているグルジアの人々。
戦争や石油開発から、8,000年間守り続けられてきた命のワイン。
その魂を、一度味わってみてください。
==(引用、終わり。)==