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アンフォラとクヴェヴリ


ワイン会にジョージアのクヴェヴリ製法で造られたワインを持ち込んだところ、何人かの方から「アンフォラですか?」と訊かれ、はじめのうちは「はい、そうです」と答えていたのですが、どうも違和感があったので調べてみました。

だってアンフォラだなんて、語感が全然グルジア語っぽくないじゃないですか?(と偉そうにいっても当時私の知ってたグルジア語なんてチャホフビリとチャシュシュリとピロスマニくらいですが・・・)

アンフォラはラテン語で、ギリシア語の「 Αμφορέας 」に由来し、「両側に」を意味する「amphi-」と、「pherein(運ぶ)」から派生した「phoreus(運搬器)」とが結合してできた語だそうです。

一方クヴェヴリはというと、素焼きの甕の中に蜜蝋が塗ってあるワイン醸造用の容器です。蜜蝋をコーティングして密度を上げることでワインの流失を防ぎます。ワインの蔵元によっては蜜蝋を好まない事から、あえて素焼きの物を購入する蔵もあるのだとか。更に外側には強度を高めるために石灰やセメントが塗られます。 クヴェヴリの底の先端が尖っているのは、埋めたときの土の重さへの耐久性を高めるためだそうです。

 

アンフォラとクヴェヴリの違いは、ざっくりこんなまとめ方でどうでしょうか。

・アンフォラ⇒陶器の壺。取っ手がついてて運搬する。

クヴェヴリ⇒素焼きの甕。内側に蜜蝋を塗る。土中に埋めて運ばない。

 

なお、ジョージアのクヴェヴリ製法は、2013年にユネスコの無形文化遺産に登録されています。 

 

【追記】さらに調べると、ネットには「クヴェヴリは、ヴァルデペーニャのティナハとは異なる」という記述が・・・「ヴァルデペーニャ」はスペイン内陸カスティーリャ=ラ・マンチャの地名、「ティナハ」はテラコッタのワイン壺とのことです。